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2010年11月23日火曜日

『失楽園』の内容 (下)


前編の話の続けたいと思います。

予定以上の外泊のせいか、凜子の夫にも久木の奥さんにも浮気がばれました。夫は凜子を憎んでいるけど、離婚してくれないと言いました。彼女の母親も娘の不倫関係を知って縁を切りました。久木の奥さんは別れようと言って娘もそれに賛成しました。久木と凜子はそれぞれの家族を失って渋谷にアパートを借りることにしました。家に帰らずにそのアパートで時間を過ごしていました。ある日、軽井沢にある凜子の父親の別荘に行きました。そこでは、久木は昭和史を編纂していた時に調べた安部定の事件について話しました。安部定という女性はある男の人と不倫関係になって相手を誰にも渡したくなくて結局彼を殺しました。凜子は定の強い愛情に憧れて久木と二人で死にたいと言いました。今は一番幸せな時なので今死んだら幸福は永遠に続きます。でも絶対二人で同じ瞬間にしっかり抱き合ったままではないとだめだと言いました。最初は久木には死にたい気持ちが別になかったですが、ある日、会社に手紙が来てその内容は久木と凜子の関係について書いてありました。しかも久木は人妻を誘惑して強引に関係を迫って今は自宅に帰れないように軟禁していると書いてありました。上司は嘘がたくさん含んだ手紙だと知っても、久木の昭和史編纂を中止して彼に子会社に行ってもらうと述べました。そう言われたら久木は会社を辞めることにしました。家族だけではなくて仕事も失ったら久木も凜子と一緒に死ぬことに賛成しました。

久木は環境分析センターの研究室で働いている友達を訪ねて、出版するつもりの小説の科学的な内容について相談したいと言って友達に青酸カリという毒物を見せさせました。青酸カリは一、二分で人を殺す毒です。友達が隣の部屋に行ったら、久木は青酸カリを少し取りました。毒を手に入れたら二人はまた軽井沢の別荘に行きました。あそこで最後の日を過ごしました。二人を一緒に葬ってくださいという遺言を書いて青酸カリをワインに混ぜて性交しながらそのワインを飲みました。「凜子」「あなた」と呟いて死にました。

久木と凜子の恋愛の話はそれで終わりますけど、終章として小説の終わりに警察医によって書かれた死体検査調書が添付されています。警察は自殺現場に着いたら二人の死体は強く抱き合って隔離することが簡単にできなかったらしいです。久木と凜子の、一緒に死にたいという夢は叶いました。

画像:http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200103000813

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